なぜ、ヒヤリ・ハット情報を集めるの?

1件の事故の背後には、多くのヒヤリ・ハットが潜んでいるといわれます。

 

 ヒヤリ・ハットとは、文字通り、作業中・運転中に事故が起きそうな状況に出会い、ヒヤリとしたり・ハッとしたことを言います。

 ヒヤリ・ハットは、結果として事故に至らなかったものであるので、見過ごされてしまうことが多いです。すなわち「ああよかった」と、直ぐに忘れがちになってしまうものです。

しかし、重大な事故が発生した際には、その前に多くのヒヤリ・ハットが潜んでいる可能性があり、ヒヤリ・ハットの事例を集めることで重大な災害や事故を予防することができます。

 

事故の再発防止・予防に向けてリスク管理をしない、または取組みが不十分だと、

・同じような事故がくり返し起きる

・死亡事故など大事故が増える

という危険が高まります。

 

安全を守るためには、事故、ヒヤリ・ハットなどの情報をいかし、事故の再発防止、未然防止を図ることがとても大切です。

 

<ヒヤリ・ハットはリスク管理、継続的改善活動のインプット情報>

 

 安全を守るためのリスク管理とは、現場でおきた事故やヒヤリ・ハットなどの情報を集め、事故防止のための対策につなげるよう活用する取組みをいいます。

 すなわち、作業中・運転中に事故が起きそうな状況に出会い、ヒヤリとしたり・ハッとしたことを記録し、その原因を全員で究明し再び同じような状況にあっても事故の要因とならないようにする継続的改善活動のことです。

 

 決して、報告させるだけのことや、収集することで得られる危険感受性の向上だけを目的として活動するだけにとどめてはいけないのです。改善に繋げることが重要です。

 

 すなわち、ヒヤリ・ハットの改善を地道に延々と続けていくヒヤリ・ハットの撲滅活動が、事故や災害を防ぐことにつながっていきます。これは安全に限った活動ではなく、組織が行う業務活動全般に言えることです。

 

<ハインリッヒの法則>

 

 “ハインリッヒ”が発表した『1:29:300』という法則があります。

 

 この法則は、労働災害の発生比率を分析したもので、『1件の重大災害(死亡・重傷)が発生する背景に、29件の軽傷事故と300件のヒヤリ・ハットがある』という警告として、安全活動の中で多く採り上げられる管理指標です。

 

 

 

 このハインリッヒの法則は、交通事故防止にも適用できますので、軽傷事故の発生やヒヤリハットした段階でその原因を取り除いて交通事故防止対策を講じることが必要です。