ISO9001:2015が発行されました。

品質マネジメントシステムの国際標準規格であるISO9001の2015年版が、2015年9月にリリース、

JISとしては2015年11月20日公示されました。
  これに伴い、既にISO9001:2008で認証取得している組織は、発効から36ヶ月以内(2018年9月くらいまで)

までに2015年版への移行を完了させなければなりません。

新たなISO 9001の構造

 新たな規格は、附属書SLに基づいて作成が進められました。
 新たなハイレベルストラクチャー(HLS)は、すべてのマネジメントシステム規格に対して共通のフレームワークを

もたらします。
 これは、一貫性を維持し、異なったマネジメントシステム規格の整合性を取り、すべての規格間で共通の用語を使用し、

共通の理解を促進するのに役立ちます。

 

構造改訂のポイントは2つあります。

ひとつめは『統一化』。

  • 品質マネジメントシステムという考え方をさらに広げ、環境や労働安全などすべてのマネジメントシステムを共通の仕組みにまとめていくという発想になっています。
  • 規格の構成についても、すべての規格が共通化されるようになります。
    (現在の8章構成が10章構成に変わります)

もうひとつは『汎用化』。

 ISO9001 2000年版の際に、サービス業などでも利用できるように改訂されましたが、プロセスの妥当性確認、設計開発など、

製造業以外ではイメージしにくい項目が多数あり、解釈等もバラバラになっている傾向がありました。

  • 改訂版では、サービス業など、どの業種でも利用しやすいようにすることを目指しています。
 この度の改訂において、主に変更/追加があった点は、
1. リスクベースの考え方を取り入れた
2. リーダーシップの強化
3. パフォーマンス評価の重視
4. コミュニケーション
5.少なくなった要求事項
などが挙げられます。


1. リスクベースの考え方を取り入れた
 従来の予防処置にあるような製品/サービス実現する上でのリスクだけではなく、より広い観点でリスクを考えることが追加されました。
 そのため、
 (1) 組織及びその状況の理解し(リスクアセスメント : リスクの抽出、分析)
 (2) リスク及び機会への取組む(リスク対応)
リスクベースのアプローチをするよう要求されました。

※ ただし、要求レベルは、リスクを先取りした管理活動が期待されているのであり、

  ISO27001で要求されているような精密なリスクマネジメントを要求するものではありません


(1) 組織及びその状況の理解
 ISOの仕組みをに構築する際、まずは組織の目的及び戦略を明らかにした上で、それらに影響がある組織の外部及び内部の課題を明確化することが求められています。
 ●外部課題  企業が直接コントロールできないようなものが挙げられます。
              たとえば、市場、法規制、同業他社の動向など
 ●内部課題は、企業がコントロール又は影響を及ぼせるものが挙げられます。
          たとえば、経営資源(要員・設備など)、財務、保有技術、外部業者の適切な委託など


(2) リスク及び機会への取組み
 2008規格では、発生の未然防止を考えて、その対応計画を定めるという予防処置があり、これに対応しているともいえますが、2015年版では、自らの組織環境におけるリスク、つまり、より広い観点でリスクを考えることが要求されています。


2. リーダーシップの強化
経営者の役割が強化され、システムについて説明責任をもつことが要求されました。
その代りに管理責任者は任命しなくても良いことになりましが、担っていた役割はシステムとして必要なので現行のままで問題ありません。
 ただし、経営者の説明責任項目については、経営者同席の元、説明する必要があります。


3. パフォーマンス評価の重視
 2015年版では、「箇条9パフォーマンス評価」という大きな項目となって、さらに重要視されました。
★ プロセスの監視にパフォーマンス指標を使用すること (4.4.C)
★ 品質目標の達成状況 (パフォーマンス)を評価すること (6.2,9.1.1)


4. コミュニケーション及び認識
・コミュニケーションの対象に"外部"が追加されました。
 外部 : 顧客以外の利害関係者とのコミュニケーション(法的対応、苦情・要望処理等)など・・・


5.少なくなった要求事項
 (1) 組織の自主性を考慮し、要求事項がなくなりました。
① 管理責任者の任命
    → 担っていた役割はシステムとして必要なので現行のままで問題ありません。


(2) "品質マニュアル"、"文書化した手順"の要求が無くなりました。
① 品質マニュアルの作成   ※ 移行対応はこちら

② 6つの文書化手順書
  ・文書管理の手順書
  ・記録の手順書
  ・内部監査の手順書
  ・不適合管理の手順書
  ・是正処置の手順書
  ・予防処置の手順書


(3) 要求事項の冗長性を考慮し、箇条統合された要求事項があります。
① ・2008年版の7.5.1 製品サービスの管理と7.5.2、妥当性確認
    → 2015年度版 8.5.1 製造及びサービス提供の管理

② ・2008年版の7.3.4 設計・開発のレビュー、7.3.5 検証、7.3.6 妥当性の確認
    → 2015年度版 8.3.4 設計及び開発の管理


QMS 2015版への移行

・2008年版運用システムの

   2015年版への移行方法は?

・マニュアルを作成する必要が無くなった?
・手順書不要 ? どのように運用 ?

・追加/変更の管理策に対する手順の

 整備及び運用方法は ?



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